もち米(糯米)とは、糯(もち)性のあるコメの品種群の一つで、主に日本、韓国、中国、フィリピン、タイなどのアジア圏で栽培されている食物です。
ちなみに、日本におけるもち米の生産は米全体の生産量の3~5%と言われていますが、ラオスなどの地方ではもち米は主食として扱われており、全体の85%以上を占めているとされています。
もち米の特徴
日本人が普段食べているお米(うるち米)は半透明な見た目が特徴としてありますが、もち米は白くて不透明な見た目が基本です。
また、見た目以上に大きな違いはその成分構成にあります。
普段食べているうるち米の成分構成がアミロース2:アミノペクチン8に対して、もち米の成分構成はアミノペクチン10とされていて、アミノロースを含んでいません。
アミノロースとは米に含まれるデンプンの一つで、アミノロースが多くなればなるほど粘り気が少なくなります。
アミノペクチンとは、お米に含まれるデンプンの一つ、こちらは糯性の強いデンプンとされています。
このことから、糯性の強いアミノペクチン100%のもち米は弾力性を必要とするお餅作りに適していると言え、逆にうるち米はアミノロースとアミノペクチンが混合されているため、お餅作りには適していないといえるでしょう。
もち米の歴史
お米の起源は中国とされており、紀元前の大昔に中国から朝鮮半島を経由して日本に伝わったとされていて、もち米も稲作の伝来と共にアジア大陸から伝わったとされています。
日本での餅の歴史は古く、平安時代には大豆や小豆、ごまなどの材料を加えた餅や、米の粉を使った「ちまき」のようなものも作られていたとされています。
現代のお正月でもよく目にする鏡餅は、鎌倉・室町時代になってから使われ始めました。
また、江戸時代にはお餅を年中行事の祝い事に使われることも多くなり、食べると力がつくと言う意味合いを込めて「力餅」とよばれる名物も生まれたとされています。