無酸素保存の行い方


食品を大量に保存する際には、「先に買った物から食べて、食べたら同じ量を補充する」ことを繰り返すのが基本です。無酸素保存の場合は、食品を補充する際に「無酸素処理」を行ってから保存することで、長期の保管を可能にしています。

無酸素保存の行い方

この「無酸素処理」は簡単に行えます。まず最初に下記の道具を用意します。

・保存するお米(玄米か無洗米が良いです)
・ガスバリア袋(酸素が遮断できる袋)
・脱酸素剤(エージレス、使い捨てカイロなど)

手順は簡単、3ステップです。

①用意したお米を、お米を密封する「ガスバリア袋」に入れます。
②「ガスバリア袋」の中に「脱酸素剤」を入れます。
③「ガスバリア袋」の口を閉じます。

これで完了、あとは中に入れたお米を食べるまで放置してOKです。きちんとした道具と手順で保存すれば、半年から1年以上の長期にわたり、お米をおいしい状態で保管できます。

無酸素保存の仕組みについて

無酸素保存は、どのような原理で行われているのでしょうか。

まず、酸素を取り除いて無酸素状態を作ってくれるのは「脱酸素剤」です。脱酸素剤は空気中の酸素を吸収してくれます。密封された空間に脱酸素剤を入れると、周囲の酸素が無くなるまで酸素を吸収し続け、酸素が無くなると吸収をやめます。

このとき重要なのは密封するための袋の性能です。レジ袋やジップロック(R)は、実は目に見えないレベルで空気(酸素)を通してしまいますので、これらの袋に脱酸素剤を入れても、最初は袋の中の空気をすべて吸収して無酸素状態を作りますが、次第に袋の外から酸素が進入してきてしまいます。

それでも脱酸素剤の能力一杯までは、外から進入してきた酸素を吸収し続けますので無酸素状態が維持されますが、限界まで酸素を吸収するとそれ以上は対処できなくなり、次第に袋の中は外と同じように酸素で満たされていきます。

そのためお米と脱酸素剤を入れる袋は、酸素を遮断することができる性能を持った「ガスバリア袋」にする必要があります。ガスバリア袋は空気(酸素)をほとんど通しませんので、口をきちんと閉めておけば長期間袋の中を無酸素状態にしておくことができるのです。