うるち米は普段ごはんとして食べられている米のことです。
それに対し、もち米は餅や赤飯、おこわなどに使われる米のことを言います。
うるち米は不透明な白色ですが、もち米は半透明の白色になっています。
見た目以外にもうるち米ともち米は成分が異なります。
米は炭水化物であり、炭水化物の主成分はデンプン質です。
デンプン質はアミロースとアミロペクチンで成り立っています。
うるち米は約20%のアミロースと約80%のアミロペクチンで構成されていますが、もち米は100%のアミロペクチンで構成されています。
アミロペクチンは水に溶けないデンプンで、アミロースは水に溶けるデンプンです。
もち米はうるち米より水に溶けないアミロペクチンを多く含んでいるので、粘り気が多く、もちもちとした食感になっています。
一方、うるち米はもち米より粘り気が少ないため、炊いたときにふっくらとした仕上がりになります。
この特性を生かしてうるち米ともち米を使い分けています。
栄養
普通のごはんと餅を同じ重量で比べてみると、餅の方が水分が少なく、タンパク質と炭水化物が多くなっています。
ミネラルやビタミンはどちらも少なく、ほぼ同量が含まれています。
栄養面ではうるち米ともち米に大きな差はないようです。
保存
炊いた米や餅は冷蔵庫に入れておいても劣化が起こりますが、アミロースはアミロペクチンに比べて劣化しやすくなっています。
つまり、もち米よりうるち米の方が劣化しやすいということです。
保存に関してはごはんより餅の方が長持ちすることになります。
アミロペクチンは水に溶けないデンプンで、アミロースは水に溶けるデンプンであることから、アミロースの方が消化分解しやすくなっています。
なので、アミロペクチンだけで構成されているもち米から作られる餅は、ごはんに比べて消化するのに時間がかかるので腹持ちが良くなるのです。
調理
もち米の方がうるち米より水を吸いにくいため、調理時には吸水時間を長めにとる必要があります。
もち米はうるち米の栽培の仕方の大きな違いはありませんが、もち米はうるち米より背丈が伸びやすいので、伸びすぎて倒れないように窒素系の肥料を控えるように工夫しています。
うるち米ともち米を近くで栽培すると花粉が混ざることがあり、本来のうるち米ともち米にならなくなってしまうので、うるち米ともち米は離して栽培しなくてはなりません。
酒米
酒米という米もありますが、酒米は日本酒を造るのに使います。
酒米はうるち米に属しています。
ただ、同じうるち米でも普段食べている米とは少し異なります。
酒米は日本酒を造る際に、表面を削る精米という工程があるので、砕けないようにやや大きめの粒になっています。
米には中心に心白という部分があります。
心白はタンパク質の含有量が少なく、粘り気が多く、もろみによく溶けるという性質があります。
酒米は一般のうるち米に比べてこの心白が大きくなっています。
また、蒸米吸水率やこうじへの造りやすさなどが日本酒造りに適したもののなっているのが酒米です。
当店でも、もち米を販売しております。
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